おうちえ:おうち時間を楽しく過ごす知恵袋
新型コロナウイルスへの感染予防のためにおうちで過ごす時間が増えていると思います。感染予防は大変重要ですが、おうち時間が増えることで心配なコトがあります。それは生活不活発です。生活不活発とは、おうちで過ごす時間が増えることで、閉じこもりがちになり、活動量が減少した状態のことを言います。そのような状態が続くと、フレイルになりやすくなると言われています。感染予防とともに、生活不活発の予防、フレイルの予防にも取り組む必要があります。どのようにとり組めばいいのかを分かりやすく紹介している知恵袋を東京大学が作成していますので、紹介させていただきます。
フレイルってなに?
フレイルは、海外の老年医学の分野で使用されている英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを2014年5月に提唱しました。
フレイルは、厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことがわかっています。
フレイルの特徴は改善ができるということです。フレイルと判定されて落ち込むことはありません。フレイルは日々の生活習慣を改善していくことで、改善されるのですから。
簡単健康チェック表でフレイルのチェックをしてみましょう!
簡単健康チェックは、簡易フレイルインデックスを参考に作成しています。該当なしの場合はロバスト(健康な状態)と判定します。1-2項目該当の場合は、フレイルの前段階であるプレフレイルの状態と判定され、3項目以上の該当された場合は、フレイルと判定します。そのため、1項目でも該当すれば、注意が必要です。1)
フレイルは改善できる。だから早めに対処しましょう。
フレイルの状態を放っておくと、要介護状態になりやすいことが明らかとなっています。チェック表の項目に該当した方は、今の生活習慣を見直した方が良いかもしれません。また、チェック項目に該当がなかった場合も、フレイル予防に努めることで、健やかな生活を続けることができると思います。
フレイル予防の参考書「おうちえ(おうち時間を楽しくすごす知恵」
IOG東京大学高齢社会総合研究機構がシニアの方に役立つ情報を集めた知恵袋「おうちえ」を作成されました。とても分かりやすい内容ですし、日々の生活に取り入れやすい内容ばかりですので、参考にしていただければと思います。
【おうちえの利用方法】
①こちらを押すと「おうちえ」をご覧になれます。
押すと下のような画面が出てきます。
すべてをご覧になりたい場合→おうちえ全体ダウンロードをクリックします。
ご自分の興味のある項目のみご覧になりたい場合→目次別ダウンロードをクリックします。
パソコンをお持ちの方は、印刷も可能です。ご近所さんに配ったり、回覧板に挟んだり、地域の掲示板に掲示したりなど、様々な用途でご使用ください。
②QRコード(キュー・アール・コード)にチャレンジ
お店の広告などにこのようなマークを見かけませんか?これはQRコードというものです。スマートフォンをかざすと、インターネットのホームページを自動で開いてくれます。面倒な検索がいらず、迷わずにホームページを見ることができるので便利です。
QRコードは、スマートフォンのカメラ機能や専用のアプリを使う必要があります。スマートフォンの機種によって異なるので、身近な方やお店の方に聞いてみてください。
参考資料
参考文献
1) Yamada M, Arai H. Predictive Value of Frailty Scores for Healthy Life Expectancy in
Community-Dwelling Older Japanese Adults. J Am Med Dir Assoc. 2015; 16(11): 1002. e7-
11. doi: 10.1016/j.jamda.2015.08.001. Epub 2015 Sep 15.
・日本老年医学会雑誌 55巻3号 (2018.7)
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